上海の秘境、採石場に佇むインターコンチネンタルホテルでの忘れられない体験
今回の上海旅行で最もユニークだった上海の名所、インターコンチネンタル上海ワンダーランド(InterContinental Shanghai Wonderland)の滞在記をご紹介します。このホテルはIHGを代表するラグジュアリーブランド、インターコンチネンタルブランドの5つ星ホテルです。閉鎖された採石場に建設され、その独特な外観とコンセプトで建設当時から大きな話題を呼んだことで知られています。上海旅行をご計画中の方は、ぜひチェックしてみてください。
インターコンチネンタル上海ワンダーランドホテル到着
インターコンチネンタル上海ワンダーランド(上海佘山世茂洲际酒店)へは、滴滴出行(DiDi)タクシーで到着しました。私たちは外灘(バンド)地区のホテルから出発したのですが、少々距離があったため、プレミアムタクシーを利用し、料金は200元ほどだったと思います。ホテルの正面にある大きなオブジェは、非常に印象的ですよね。
ホテルに到着した際、一般的な高層ホテルが見当たらないため、少し戸惑うかもしれません。ここは地上階が2階建てのみなので、最初に目にする光景は少し変わっていると感じるかもしれません。
インターコンチネンタル上海ワンダーランドのロビー
館内に入ると、独創的なインテリアデザインが迎えてくれます。ホテルの内装は「地球の中心への冒険」をテーマに設計されており、採石場の岩層を思わせる曲線的な地形や自然の質感を再現しているとのこと。中央には非常に大きな装置が鎮座しており、定刻になると水が上から下へと流れ落ち、華麗な光景を演出する「アクアティックショー」が開催されます。
ロビーにはチェックインカウンターと広々としたラウンジがあり、こちらでドリンクやデザートを楽しむことができます。前面は全面ガラス張りになっており、開放感と素晴らしい眺望が楽しめました。
ロビーからは誰でも利用できる屋外バルコニーへ出られます。ここへ出ると、ようやくホテルの全体構造を詳しく見ることができました。ロビーから下に向かって建設されているホテルの様子は、非常にユニークでした。地元の方々も宿泊目的でなくても見学に多く訪れるほど、上海でも名所として認められているホテルです。私も数多くのIHGホテルに滞在してきましたが、これほど個性的なホテルは初めての経験でした。
インターコンチネンタル上海ワンダーランドの展望デッキ
ホテルの地下15階へ下りると、プール、崖、そして客室通路を結ぶ3つの木製の橋から成る展望デッキがあります。ここからホテルを見上げると、その巨大さと壮大さに圧倒され、また四方を囲まれた地形のためか、音が少し反響するような不思議な感覚を覚えました。
ここでは、閉鎖された採石場の地形を活かして造られた人工の滝と湖を眺めることができます。夜には「JOURNEY TO THE HIDDEN(クリフライトショー)」と名付けられた、息をのむほど美しく素晴らしいショーが開催されます。このショーは誰でも無料で見ることができ、そのクオリティの高さは、有料でも惜しくないほどでした。ご宿泊されない方でも、一度訪れてみることを強くお勧めします。
地下16階 「MR. FISHER」レストラン
エレベーターでホテルの最下層である地下16階へ下りると、「MR. FISHER」(アンダーウォーターレストラン)があります。このレストランは宴会場と一般のダイニングエリアに分かれています。宿泊客は特定の時間に限り、宴会場を見学することができます。片側の壁一面が巨大な水槽になっており、その光景はまさに圧巻です。
レストランのダイニングエリアも見学しましたが、どの席からも水槽を眺めながら食事ができるという趣向は、非常にユニークで魅力的でした。幻想的な雰囲気も相まって、特別な体験を求める方には心からお勧めしたい場所です。
インターコンチネンタル上海ワンダーランドの客室紹介
客室廊下
私たちが予約したのは、ホテルで最もスタンダードなカテゴリーの「ガーネットキングルーム」です。ほとんどの客室は階層が異なるだけで、広さに大きな違いはないようでした。このホテルの特徴として、よりグレードの高い客室ほど地下深くへと配置されています。ホテルの廊下からも、窓越しに往時の採石場の断崖を間近に望むことができ、非常に印象的でした。
客室内部
客室は快適で清潔感があり、機能的にまとめられていました。全体的にウッド調で統一され、落ち着いた雰囲気。床はフローリング仕様で、埃っぽさがなく快適に過ごせました。大人2名で利用するには十分な広さがあり、ゆったりと滞在できます。必要なアメニティもきちんと揃っており、何一つ不自由を感じませんでした。
客室バルコニー
インターコンチネンタル上海ワンダーランドホテルのハイライトは、何と言っても客室からの眺めでしょう。バルコニーには、この素晴らしい景色を心ゆくまで楽しめるように椅子とテーブルが設えられていました。これがホテルの部屋からの眺めだなんて、信じられますか?眼下に広がる人工の滝と湖、切り立つ採石場の壁、そして遠くに見える遊園地の観覧車を眺めていると、心が癒されると同時に、「かつてこの場所では、どんな歴史が刻まれたのだろう」と、思いを馳せずにはいられませんでした。
夜間は照明も効果的に配置されており、部屋の中からでも美しい夜景を楽しむことができました。
客室バスルーム
客室同様、バスルームもゆったりとしたスペースが確保されており、非常に使い勝手が良かったです。全体的に高級感のある設えでした。シャワーブースとバスタブが独立していたのも嬉しいポイントで、ダイソン社製のヘアドライヤーやバレード社製のアメニティが用意されていた点も満足度を高めてくれました。インターコンチネンタルブランドのホテルでは、バレードのバスアメニティ(香りはホテルによって異なる場合があります)が提供されることが多く、いつも心地よい香りに包まれます。
インターコンチネンタル上海ワンダーランドの夜景
夜のインターコンチネンタル上海ワンダーランドホテルは、昼間とはまた異なる、妖艶な魅力を放ちます。特に採石場の断崖を背景に繰り広げられるショーは圧巻の一言。湖面に映り込む光の揺らめきも幻想的で、巧みなライトアップにより、夜でも見どころが多く、心ゆくまで楽しめる素晴らしいホテルです。
最後に
インターコンチネンタル上海ワンダーランドホテルを実際に訪れてみて、まさにユニークな魅力に満ち溢れた場所だと実感しました。廃坑となった採石場の特性を最大限に活かし、地上2階、地下16階という他に類を見ない構造で、独特の雰囲気とデザインを創り上げています。客室からの素晴らしい眺め、水槽を備えた水中レストラン、夜間に開催される無料のショーなど、多彩なエンターテイメントと見どころが満載で、さながら一つのテーマパークのようです。上海を訪れる機会があれば、世界でも稀なこの個性派ホテルで、一日ゆったりと「ホカンス」(韓国で人気のホテルでの休暇スタイル)を楽しんでみてはいかがでしょうか。
[インターコンチネンタル上海ワンダーランドホテル宿泊記|世界初の採石場ホテルで唯一無二の体験を]